第12章 彼の秘密
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結局、風丸と冬花が何を話していたのかを花織は言及することはできなかった。花織は部屋に戻った後、自分の学習をしようと机に付き、参考書とノートを開いた。だが中々先ほどの冬花と風丸の仲睦まじそうな光景が目に焼き付いて離れない。ペンは思うように先には進んでくれなかった。
本当に風丸が言うようになんでもなかったのかもしれない。と自分に言い聞かせてみるが、ならば何で彼は嘘をついたのだろうという疑問が湧いて出る。そんなに気になるのならばきっぱりと何を隠しているのかを聞いてしまえばよいのだろうけれど、それをする勇気はなかった。面倒くさい女だと思われたくはなかったし、自分の知りたくない冬花と風丸の関係を知ってしまうかもしれないのが怖かった。
でも、だったらどうしたらいいんだろう。
花織はため息をついてペンを走らせる手を止める。ダメだ、まったく頭が回らない。こんな気持ちじゃミサンガも編むことはできないし、身体を動かすのが一番だろうか。気分転換にストレッチでもしようかと花織は席を立つ。ほぼそれと同時に彼女の携帯電話が静かにメロディを奏で始めた。
彼女はぱっと机に置いていた携帯を手に取る。そして着信の相手を見て目を大きく見開いた。思いにもよらない、珍しい人物だった。彼女は通話ボタンを押して携帯を耳に押し当てる。
『もしもし、俺だけど……』
「半田くん?どうしたの、急に」
半田真一、日本にいる彼から電話が来るなんて。花織は彼の声に返答しながらベッドまで歩き、そこに腰を下ろした。
『ああ、花織久しぶり。今時間大丈夫か、時差とか俺わかんないまま掛けたんだけど』
「うん、まだ消灯前だから大丈夫。それよりほんとにどうしたの?連絡してくるなんて珍しいね」