第2章 選ばれた精鋭
青地に白のラインと赤のポイント。日本代表のユニフォームを身に纏い、代表として世界と戦うのはいったい誰になるのだろうか。二日という時間はとても早く過ぎ去っていった。円堂、鬼道と別れたのチームは特に親睦が深まることもないまま、選考試合当日を迎えた。
今、選手たちは二列に並び結果発表を待っている。花織はそのわきで春奈や秋と一緒に立って並んでいる。花織が選ばれるわけではないのに、そわそわして落ち着かない。じっと風丸を見つめていれば彼は花織の視線に気が付いて頼もしく微笑んだ。
***
「頑張ってね、一郎太くん。……私、誰よりも一郎太くんのことを応援してる。いつも通りのプレーだったら絶対に大丈夫だから」
選考試合の直前から落ち着いていないのはむしろ花織の方だった。試合開始数十分前、わざわざを風丸を呼び出し、激励の言葉を掛けるも緊張で彼女の顔は強張っている。だがむしろ対照的に風丸は落ち着いているようだ。
「ああ、絶対に代表に選ばれて世界と戦う。お前と一緒に」
「うん」
花織が風丸の目を見つめて頷く。不安げな花織の瞳に映る風丸はいつものように頼もしく凛々しい。花織を覗き込む茶色の瞳は上だけを見据え、一点の曇りもない。
「だから見ててくれ、いつもみたいに。そうすればきっと俺はいつも通りのプレーができると思う」
そういって微笑む風丸はとても穏やかで、変に身体に力が入ることもない。ちゃんと試合に向けて調整を行い、ベストなコンディションで試合に挑むことができそうだ。
「……うん」
花織はずっと祈るような気持ちで選考試合を見ていた。試合中ずっと握りしめていたこぶしは汗ばみ、じっとりとしている。風丸の動きは決して悪くないが、それ以上にレベルの高い選手が多くあまり目立てていないような気もする。