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諸恋

第11章 麗しの花嫁




「花織!!聞こえないのか、花織!!」
「無駄だ。彼女は今、聖なる眠りについている」

花織の姿が見えたことにより、取り乱す風丸をせせら笑うようにセインが見下ろした。風丸がセインを睨む。セインはちらりと花織を見て、風丸らに宣言した。

「このお方には千年祭で復活する魔王の花嫁になって頂く」
「魔王の花嫁!?」

驚きの声がチーム全員から上がる。風丸はぎゅうとこぶしを握ってセインを見上げた。セインは高らかに声を上げて宣言する。

「千年祭にて復活せし魔王、伝承により選ばれし者を娶り、再び深き眠りにつく」
「アンタら、魔王を封印するために花織を花嫁にするっちゅーんか!!そんなの許さへんで!!」

指をさし、リカが叫ぶ。他にも口々に選手たちがセインらに言葉を投げかけた。それに対して天界の民は呆れたような表情をして風丸らを見下ろす。ただ選手たちが叫ぶ中、風丸は一人無表情にセインを見上げていた。

「花織は渡さない」
「フン、お前だな。花嫁が言っていた心に決めていた人間、というのは」

セインが鼻で笑いながら風丸を見下ろした。風丸の表情が一瞬驚いたようなものへと変わる。セインは昏々と眠り続ける花織を見つめて不敵に微笑んだ。そして風丸を見下ろして言葉を続ける。

「花嫁は言っていた。下界に、心に決めた男がいるから解放してくれと。少し聞き分けがわるかったからな、彼女には眠ってもらっている」
「お前……っ!!!花織を返せ!!」

ギリィと奥歯を噛み締めて風丸が叫ぶ。彼の怒りは最高潮だったが、セインの苛立ちも引けをとらないものだった。どっちも一歩も譲らぬ睨み合い。

「これだけ言っても引かぬ、か。……ならば仕方ない、我らの力で下界へ叩き落すまで」
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