第11章 麗しの花嫁
「 心のその四、仲間の全てを信じられる『ゼッタイテキシンライ』」
次の言葉も耳に入れずに風丸は思わず視線を動かす。自然と彼の視線は隣のテーブルの斜め前に座っている黒髪の少女へと向けられた。
「心のその五、どんな事態にも動じない『コオリノレイセイ』」
彼女は凛として円堂の話にじっと耳を傾けている。真剣にこの言葉を聞いているのだろう。だが風丸は次の言葉よりも、心のその三、その言葉が心の中でずっと響き続けている。
「心のその六、 隠された真実を見抜く力『ミヌクシンガン』」
じっと風丸が黒髪の少女、月島花織を見つめていると、風丸の視線に気が付いて彼女は何も言わずに微笑んだ。風丸も思わず表情が緩む。
「心のその七、人の過ちを赦す心の強さ『ユルスツヨサ』」
彼女はどんな時も風丸の傍にいた。
「心のその八、他人の喜びと悲しみを分かつ『ワカチアウナミダ』」
風丸のサッカーは常に彼女と共に在った。サッカーを始めた理由。エイリア学園と戦う理由。様々な理由の根源に彼女の姿があった。
「心のその九、高き志を持つ者だけが見る『ハテシナキユメ』」
今も同じ夢を見てる、共に世界の頂点を目指すために選手とマネージャーという立場は違えど同じ場所を目指して走っている。
「心のその十、自分の力を信じる力『マヨワナイジシン』」
強く優しい自分のパートナー。風丸はその瞳に映す少女を見て思う。いつだって、どんな時だって彼女を守りたい。共に泣き、共に笑い同じ道をこれからもずっと歩んでいきたいと。
「心のその十一、どん底でも消えることのない『センシノホコリ』」
ノートの言葉の意味は分からなかったが、風丸の心に響く言葉があったのは、確かだった。