• テキストサイズ

諸恋

第9章 畏友





「あのお取込み中、悪いんだけど」
「……ああ、土門か。すまない、花織が世話になったみたいだな」

さり気無く花織の手を握り、風丸が土門に礼を言う。

「今日はもう遅いし、花織を連れて帰るよ」
「ああ、結構話し込んじゃったな。久しぶりだったし」

ひらりと土門が手を振っていう。何を話していたかは語らない。花織は少しだけ先ほどの話の内容を思い出して俯く。土門はくれぐれも内密に、と視線で花織に念を押す。花織が頷くと同時にマークとディランが談話室に乗り込んできた。

「ヘイ!君がヤマトナデシコのボーイフレンドかい?」

遠慮なくディランが風丸に問いかける。風丸はああ、と照れもせずにその問いかけに頷く。花織の手を自分のものだと言わんばかりに握りしめた。ディランとマークはそれで納得した様子であったが、同時に爆弾発言も落としていく。

「俺たち、てっきりその子はドモンのガールフレンドだと」
「ドモンがその子に迫ってたからね」
「迫ってた……?」

キッと鋭い風丸の視線が土門に向けられる。土門は焦った表情で両手を上げ首を横に振った。とんでもない勘違いだ、花織と風丸の関係を知っていて花織に手を出そうとなんてするわけがないだろう。

「いやいや風丸、誤解だって。花織ちゃんとはフツーの友達だよ」
「……ああ、信頼してるぞ、土門」

低い声で土門を見つめ、風丸は頷く。信頼という言葉とは裏腹に明らかに威嚇しているのが見て取れる。勘違いされるような行動は慎むべきだ、と土門は今日の教訓を学び取るのであった。
/ 366ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp