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諸恋

第9章 畏友




「彼はアメリカ代表の土門飛鳥くん。元々雷門中の生徒だったの。土門くん、こちらは久遠冬花さん、イナズマジャパンのマネージャー」
「どうもー」

花織が冬花のことも土門に紹介すれば土門が頭に手をやり、軽く会釈した。冬花もそれに合わせて頭を下げる。花織は土門を見上げる。そしてじっと彼を見つめた。先ほどの違和感はなんだろう。そんなことを思って土門をじいっと見つめている。そんな花織の表情に観念したのか、土門は少し沈黙し、花織に声を掛けた。

「なあ、花織ちゃん。少し話せないかな」
「うん、大丈夫だよ。私も少し、話がしたかったから」

***


冬花にアメリカエリアに寄ってから帰る、ということを言づけて花織は土門とアメリカ代表の宿舎へと向かった。きっと風丸が心配してしまうだろうからと土門と一緒だということも伝えてほしいと冬花には頼み込んだ。これできっと彼らに心配を掛けることは無いだろう。

「土門くんも一之瀬くんも、全然メール返してくれないんだもんね」

ここはアメリカエリアにあるアメリカ代表の合宿所、土門の部屋だ。そこで腰を下ろして早々に恨めし気に花織が土門を見ながら言った。花織は、土門と一之瀬にそれぞれ代表選考が終わったころからそれぞれ2通ほどメールを送っていた。だが二人とも一切返事を返してこなかった。テレビで二人の元気そうな姿を見ていたから便りがないのは元気な証拠と言い聞かせ納得していたがそれでも返事がないのはやはり心配だった。

「はは、悪い悪い。ちょっと立て込んでてな……」

土門が軽く謝りながら笑う。その笑顔がどこかぎこちなくて花織は首を傾げた。やはり、何かあるのだろうか。花織は訝しむ。
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