第2章 選ばれた精鋭
定刻を過ぎると同時に響木監督が説明を始める。花織はそっと荷物から自宅に届いていた封書を取り出した。やはりこれは本当だったのだと思うと胸にこみ上げるワクワク感が止まらない。花織はそれを落ち着けるように髪を耳にかけて響木監督の言葉に耳を傾ける。
「マネージャーの仕事は選手たちの練習、合宿期間中の生活のサポートを行うことだ。お前たちは改めて説明せずとも重々わかっているだろう。だから選ばれたのだ」
秋、春奈、夏未、花織がマネージャーとして選ばれたことには二つの理由がある。一つは実績、一つは学校からの認可だ。
まず本来ならばマネージャーといえど十分な審査が必要だ。マネージャーといえど日本代表の選手たちのいるベンチに入ることができるのだから、志願する人間は多くいることだろう。本当に代表の選手たちをサポートするに十分な能力があるか、見極めなければならない。だが花織たちがそれをせずともこうして選ばれたのは地上最強のチームをサポートしたという実績があったからだ。
彼女たちは彼らとともに旅をし、十分なマネジメント能力が認められている。
そしてもう一つ。マネージャーとして活動するということは日本代表の選手たちと生活を共にすることであり、その分学校には通学できない。いわば休学の状態となる。選手たちは日本代表として活躍するのだから休学期間中の単位は保証されているがマネージャーはそうではない。本来大会に出るために絶対不可欠な存在ではないからだ。