第8章 遠ざかる光
結局花織はひとりで買い物に出ることにした。誰かと楽しく買い物ができるような気分ではなく、そのせいで誰かの気分を害しては悪いと思った。だから秋たちには適当な理由をつけて断りをいれ、ひとりでライオコット島での一日休暇を楽しむことにした。彼女の心は昨夜から曇り空だった。
……本当は一郎太くんと過ごしたかったな。
どんなに考えを払おうとしてもふとした瞬間にそんなことを考えてしまう。自分がさっさと彼を誘えなかったのが悪いのに。風丸が他の誰かと過ごすことに対してこんな気持ちになってしまうのは心が狭いと思う。嫉妬深い性格は自重しなければいけないとわかっているけれども、中々治せるわけではなくて。
ウィンドウショッピングをしながら花織は目についた服を手に取る。
「これ、一郎太くんに似合いそう」
ぽつりと呟いてから苦笑した。私の頭のなかはいつでも彼で一杯だ。こんなことを知られたらひかれてしまうかもしれないなと思う。寝ても覚めてもこんなに彼のことを考えるようになったのはいつからだろうか。
……そうだ。
せっかくだから彼への日頃のお礼をかねて何かプレゼントを探そう。彼へ内緒のサプライズ。そう考えると一人でのショッピングも悪くないような気がした。