第8章 遠ざかる光
***
イギリス代表ナイツオブクイーンとの試合はウミヘビ島にあるウミヘビスタジアムで行われた。目金が最初に当たりたくないと言っていただけあって、強豪であった。最初は防戦一方だったイナズマジャパンだったが、それでも粘り強さを見せてで勝利した。世界初ゴールは復帰した染岡で彼の新必殺技ドラゴンスレイヤーだった。
試合の翌日はもちろん次の試合に向けて練習、だったのだが冬花の提案で一日休養日となった。今ミーティングルームは明日をどんな一日にしようかと楽しそうに話す選手たちで溢れている。
一郎太くんは何か予定があるのかな……。
明日はマネージャーも同じく休養日であるため、春奈や秋らは一緒に買い物に行く約束をしているようだ。花織も一緒にどうか、と誘われているが今のところは保留にしている。理由は簡単、彼女は風丸と一緒に過ごしたかったからだ。
ライオコット島はサッカーアイランドであるが、娯楽地でもある。海水浴場やショッピングモールなど遊ぶところはたくさんあるのだ。それに代表各国のエリアがあるのだからそこを見て回るだけで世界旅行をしている気分にもなれる。そんな場所で恋人と過ごさないというのは少々勿体ない気がする。
でも堂々とデートに誘うのは花織は何となく気恥ずかしくてずっと彼が一人になるタイミングを伺っていた。なんだかんだ、デートらしいデートをしたのはナニワランドでの一回と、その後に地元の遊園地へ行っただけ。ふたりきりの練習やサッカー関係の買い物などは今までずっとしてきていたけれども、遊びに出かけたことはほとんどない。
……なんて誘ったらいいのかな。
花織はドキドキしながら風丸の様子を伺う。早くしないと彼にも予定ができてしまうかもしれないのに。練習なら簡単に誘うことができるのにデートだ、と思うと何とも誘いづらくて。
それでも意を決して花織は風丸の元へ歩み寄る。そしておずおずと彼に声を掛けようとした。
「あ、あの……、一郎太くん」
「風丸!明日アイス食いに行こうぜ!セントラルパークのパーラーでトリプルの奴が売ってるんだってさ!!」