第7章 国を背負う選手
マネージャーたちは古株さんの運転するイナズマキャラバンに乗り、イギリスエリアに向かって選手たちのタキシードを借りた。その後自分の好きなデザインのドレスを借り、現在は宿舎でドレスアップの真っ最中だ。
秋は白のアンクル丈Aラインのドレスで、左肩には淡いグリーンのリボンが装飾されているものを選んだ。髪はカチューシャ型のヘッドドレスで纏めている。
冬花は秋と同じく白いアンクル丈のAラインドレスだが、秋に比べればオフホワイトカラーのドレスであった。腰のベルトに大きな花の装飾が付いていて、また髪にもベルトと同じ花の髪飾りがつけられている。
「春奈ちゃん、ちょっとごめん。ファスナー上げてくれないかな」
花織が春奈を呼ぶ。春奈ははーいと元気よく返事をして花織に歩み寄った。春奈は桃色で膝丈のプリンセスラインのドレスで膨らんだ袖とフリルが可愛いデザインのドレスだ。背中には大きなリボンが付いていてとてもよく春奈に似合っている。
「先輩、結局この色にしたんですね」
春奈が花織の背のファスナーを上げながら言った。花織は誰よりも最後までドレスの色で悩んでいた。店員には黒髪によく似合う赤のドレスを強く押されていたのだが、どうしても彼女は選びたい色があったのだ。
花織は上げていた髪を下ろして椅子に掛ける。そして髪の毛をセットし始めながら春奈の言葉に答えた。すると春奈が良かったらやりますよ、と言って花織の髪に触れる。花織は彼女に任せることにして手を下した。
「うん。ドレスのデザインは言われるがまま冒険しちゃったから、色は自分の好きな色を選ぼうって思って」
ドレスのデザインはよくわからなかったから店員さんが勧めてくれたものを選んだ。だが色だけは彼女自身が好きなものを選んだのだ。
彼女のドレスの色は深い青色だった。シックで落ち着いた色で、彼女の雰囲気にはよく似合っている。春奈は花織の髪を纏め上げながら質問を続ける。