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諸恋

第2章 選ばれた精鋭




明るく笑い飛ばしながら緑川がいう。花織は戸惑いながら緑川を見る。雰囲気も言動もまるで別人のようだ。表情に困惑の色を見せる花織に、緑川は突然ずいと近寄る。そしてじいっと品定めをするかのように花織を見つめた。

「それにしても。ヒロトが夢中になってる女の子が雷門いるっていう話は聞いてたけど……。まさか君だったとはね」
「え?」
「君のことはよく覚えてるよ、奈良での試合前はあんまりに目立ってからね。あの二人はあまりに過保護っていうのかな。……ああ、ヒロトのライバルのことだけど」

緑川はくくくっと面白そうに笑いながら、花織を面白そうなものでも見るような目で見つめている。花織は始めは緑川の言っていることがわからず顔を顰めたが、彼の”奈良での試合前”という言葉で彼が何を言いたいのかを悟った。

彼が言い示しているのは恐らくジェミニストームとの二戦目、奈良のTV局での試合のことだろう。あの時は雷門の選手が十人しかおらず、花織が十一人目として出場するかで揉めたのだ。花織自身は試合に出ると主張したのだが、彼女を大切に思う二人が彼女の出場を認めないと声を上げた。確かその時レーゼは、呆れを交えたため息をついていた。花織はそれを思い出して少し恥ずかしくなった。

「そんなこと、覚えてなくても……」
「いや、だってかなり印象的だったからね。元々君は色々な意味で目立っていたし」
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