• テキストサイズ

諸恋

第2章 選ばれた精鋭




「ちょっとヒロト、俺のこと忘れてるでしょ」

そのとき二人で話し込んでいたヒロトと花織の間にムッとしたような声が割り入る。彼らははっと我に返ってその人物を振り返った。花織はさりげなくヒロトから手を退ける。ヒロトはああ、とその少年を見て笑った。

「ごめん緑川、彼女が居たからつい」
「いいけど。でもちゃんと紹介してくれるんだろうな」

眉を顰めて緑川と呼ばれた少年がヒロトを見る。緑色の髪のポニーテール。中性的な顔立ちだがどこか花織は彼に見覚えがあるような気がした。緑川という名前に聞き覚えはないからおそらく初対面のはずだが……。

「もちろん。緑川、彼女は雷門中のマネージャーの月島花織さん」
「初めまして」

ヒロトの紹介に合わせて花織は頭を下げる。すると緑川はクスクス、と笑った。思いにもよらない反応に花織が怪訝な顔をする。すると彼はニッと笑ってポニーテールを揺らした。

「実は初めましてじゃないんだよね」
「え?」
「俺のこと、わかる?」

まるで花織を知っているような口ぶり。ますます花織は混乱する。そんな花織の心境を悟ってか、緑川は唐突に前髪とポニーテールを両手で持ち上げる。特徴的な髪形、にやりと笑ったその表情。花織はあっと声を上げる。

「レーゼっていえば、わかるかな?」
「えっ、嘘……」

花織が驚愕に声を漏らした。思わず彼を凝視してしまう。レーゼとはエイリア学園ジェミニストームのキャプテンで、雷門中を破壊した張本人。冷徹な性格で雷門イレブンを馬鹿にしたような言動をとっていた。目の前の明るい少年とは似ても似つかないキャラクターだったはずだ。

「レーゼって、そんな性格でしたっけ……?」
「まあ、宇宙人の時はキャラ作ってたから。俺の本当の名前は緑川リュウジ。これからは緑川でよろしく」
/ 366ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp