第7章 国を背負う選手
「なんであんなに花織が不安になること言ったんだよ」
むすっとした表情と低い声色、割と彼はマックスの先ほどの態度に怒っているようだ。マックスはこともなげに肩を竦めてオレンジジュースを啜る。
「だって心配するだけ無駄じゃん、あのふたり。知ってるだろ半田、風丸がどれだけ花織にべた惚れか。どうせ風丸の理想なんて花織そのものだよ」
「そうかもしれないけど……」
マックスが今度はジュースのストローで遊びながら呟く。学校内でだって花織に男子生徒が話しかければ面白くなさそうな顔をしている風丸だ。花織こそ人を惹く魅力を持った女子なのだから危なっかしくて仕方がない。そんな花織から風丸が目を放している暇なんてない。マックスはそれをわかっている。
「僕らがいくら大丈夫って声かけたって花織は納得しないよ。だって僕らは風丸じゃないもん。風丸の本心は分からないし、絶対に花織の中にモヤモヤが残る」
「……」
「でも花織の不安を煽れば、花織は絶対それを態度に出す。それを風丸が気づかないと思う?四六時中花織を見つめてる風丸がさ。百歩譲って風丸が気づかなくたって十中八九、鬼道が気づいて何らかのフォローを入れる」
何も考えていないような顔をして意外と彼はその後の展開まで読んでしまっている。半田はある意味感心してそしてふうとため息をついた。
「マックス、お前やっぱり要領いいな」
「半田とは違うからね」