第6章 男女の違い
「………」
「………」
見つめ合ったお互いはあまりの出来事に石のように固まってしまう。花織の目の前に立った相手方は見る見るうちに顔を真っ赤にしていく。花織は逆にさあっと青ざめて自分の姿を確認した。ショーツは履いているが上は裸、しかも手には赤いランジェリー。叫ぼうにも声が出ずに花織はその場に蹲った。
だがばっちり少年には見えてしまっていた。彼女の性格には似合わない男を刺激するような下着も、美しいすらっとした彼女の手足も、この頃話題に上がることが多かった彼女のたわわな果実も。
顔を真っ赤にした少年が逆に叫んで扉を勢いよく閉める。
「ば、バカッ!てめえ鍵閉めろよ!!」
バンっ!!勢いよく扉が閉められた。この音で皆が起きてしまうかもしれない。正常な思考ならそんなことを考えたのかもしれないが、今の花織はパニックに陥っていた。あのモヒカン頭、見間違えるわけがない。今ここに入ってきたのは不動明王だった。
何故こんな時間に、なんで、今日は鍵を閉めていなかったか。
とにかくとぎこちない動きで下着をつけ、Tシャツとハーフパンツを身に着ける。今頭の中では見られた、という混乱がぐるぐると渦巻いていた。
「……噓でしょ」
涙目になって花織は蹲る。なぜこの頃はこんな目にあうことが多いのだろう。こんなあられもない姿を見られてしまって、明日から一体どんな顔をして、不動と顔を合わせればよいのだ。