• テキストサイズ

諸恋

第2章 選ばれた精鋭




吹雪士郎。彼は北海道にある白恋中学サッカー部のエースストライカーだ。イナズマキャラバンに参加し、ともにエイリア学園と戦った。花織とも色々なことがあったが、イナズマキャラバンに参加しているときから彼とは親しくしている。彼について名前呼びなのはその名残だ。今でもメールでのやり取り程度はたまにしている。

「うん。でもどうして士郎くんがこんなところに?」
「響木監督に呼ばれてね。雷門中に行く途中だったんだ」

ふんわりとした表情で吹雪は笑う。響木監督の呼び出しで遥々北海道から東京までやってきたというのに彼は微塵も疲れを見せない。ふと花織はその言葉に引っ掛かりを感じた。風丸と同じで吹雪も響木監督に呼ばれている。あの話、これはいよいよ本当なのかもしれない。

「花織さんはどこにいくの?」
「私も雷門中に。ちょっと用事があって」

詳しいことは何も語らずに言葉を濁す。吹雪は花織の返答に嬉しそうに笑った。

「じゃあ一緒に行こう。道は覚えてるつもりだったけど、ひとりでちょっと心細かったんだ。……それにせっかくだしね」

吹雪は少しだけ含みを持たせたような言葉を告げる。吹雪にとって花織は大切な友人。……いや違う、そんな単純ではない。花織は吹雪の恩人で、想い人だ。たとえ叶わないとわかっていてもその気持ちは変わらない。

「ふふ、そうだね。一緒に行こうか」

彼の言葉の真意には気づかず、彼の提案に頷いて花織は歩き出す。三か月というのはそう長い時間ではないはずなのに、随分と長い間あっていなかったような感覚だ。花織が吹雪の顔をちらりと見れば、花織と目が合った吹雪はにっこりと笑った。

「一番初めに会えたのが花織さんでよかった。……ずっと君に会いたかったから」
/ 366ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp