第5章 魅惑の女性
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危ないところだった。
「はあ、はあ……っ」
風丸は荒く息を吐きながら何とか部屋の鍵をかける。あの後すぐに彼女が立ち去ってくれなければ、もう少し遅かったら俺は花織に何をしていたかわからない。ベッドに腰を下ろしてズボンと下着を一緒に引き下げる。いきり立ち、固くなった彼の男根が室内の空気にさらされた。彼の中性的な顔には似合わない大きさにすでに成り果てている。こんなに、自制できないほど興奮したのは初めてだった。
「……花織」
痛いほどの刺激を感じるそれを己の手で握る。そして自分の手とは違う花織の柔らかく小さな白い手を想像しながら、自分の手を緩く上下させればそれだけで吐息の荒さが増す。
はっきりいって、彼が花織を想ってこの行為を行うこと自体は初めてではない。でもここまでの興奮と衝動に身を任せて耽ることは初めてであった。雑誌によって増えてしまった余計な知識と、先刻の花織の全てが頭の中でミックスされて風丸の空想を大きく膨らませる。
”……一郎太くん”
空想の中の花織が煽情的に風丸を見上げている。そんな彼女を抱き寄せて、深くキスをしてそれから……。その先を夢想すれば、自然と手の動きが早まる。
”ねえ……、気持ちいい?”
先ほどと寸分の狂いもない声色が彼の脳内に響く。僅かに響くいやらしい水音が彼の空想をより強いものとする。ああ、気持ちいいよ。そう返答しながら空想の中の花織の髪を撫でてやった。こうして空想の中でのように花織の全てを支配して、自分の指先一つで彼女を嬌声を上げさせることができたら。
「はあ……っ」
夢中になって彼女を思い浮かべる。花織の胸、自分とは違って柔らかなふくらみ。それが押し当てられた時の感覚を思い出す。柔らかくて例えるならばマシュマロだとかそんな月並みな表現しか出てこないが、まさにそんな感じだった。
あれに触れたら花織はどんな顔をするんだろうか。恥じらい、優しい柔らかなそして時には凛とした瞳には快楽と涙を浮かべて俺を求めてくれるだろうか。清楚な顔をあの雑誌に映っていた女たちみたいに乱れさせて、艶めかしく俺の名を呼ぶだろうか。そんなことを考えると背筋から込み上げるゾクゾクとする感覚が興奮を倍増させた。