第3章 出会い。
「師匠!傷がっ、傷が開きます!!」
「あぁ?!うるせー、アリババ!」
「先輩、落ち着いてください…」
「御前のせいだろーがマスルール!!」
わーわーと騒がしい中に六人。
少々苦労はしたものの、あっという間に片を付けてしまったあたり、さすが師匠である。
暫くすると、何やらあちら側も騒がしくなった。
此処の島民、トランの民の人々の方だ。
「なんだぁ?」
此れには騒いでいた此方側も大人しくなる。
如何したものかと近くを通りかかった島民に聞けば、其の人は嬉しそうにこう云った。
「聖獣様が!!聖獣様がいらしゃったんです!!!」
その言葉にいち早く反応したのは師匠の三人。
言葉の意味が分からずに首を傾げるのは弟子の二人。
倒れてしまったモルジアナと白龍はその存在を知っているのだろうか。
「ねぇ、ヤムさん。“聖獣”って何だい?」
「聖獣って云うのは…。そうね、アラジン。百聞は一見にしかず。此ればっかりは自分の目で見た方がいいわ」
「どうしてだい?」
「もう、一生見ることが出来ないかもしれないからよ」
傷を負っているのに悪いんだけど、とヤムライハは云うがアラジンは大丈夫だと首を振った。
「俺も行くぜ。マスルール、御前はどうすんだよ」
「いや、俺は…。一度見たことがあるんで、」
「へー、そーかよ。…って、はあ?!見たことあんのかよ?!」
「昔、一度…」
「御前、相当運いいな…」
「…そうっスかね」
分からない、とマスルールは首を傾げたのだった。