第3章 出会い。
“聖獣”を見に行った、正しくは“見た”四人は目を見開いた。
島の人々に囲まれ、食べ物を捧げられ、「聖獣様!」と崇められている一匹の真っ白な美しい狼。
地面から生えた無数の蔦が、傷ついた人々に絡みつき、癒していた。
子供たちは嬉しそうに其れを撫で、動く尾を追いかけては遊んでいる。
聖獣の方も其れに気が付いているのだろう。
子供たちを拒むことなく、時折尾を高く掲げたりとむしろ相手になっているようだった。
「ルフがこんなにたくさん!それに…とっても嬉しそうだね!!」
アラジンが云う。
彼の目に映る白いルフたちは、忙しそうにあちらを飛びこちらを飛び、今までに見たことが無いほど生き生きと、伸び伸びとしていた。
聖獣の耳がピクリと動く。
ゆっくりと立ち上がると、音も立てず、アラジンたちの方へ向かって来た。
そしてそのままアラジンたちの前で立ち止まる。
背丈は、シャルルカンよりも大きかった。
島の人々の時と同じように、地面から蔦が現れる。
「僕たちの怪我を、直してくれるんだね!」
其の言葉通り、彼らの身体に蔦が絡みつき、あれ程あった怪我を一瞬のうちに直してしまった。
「すごい…。此れだけの怪我を一瞬で…!しかもこんなに大人数なんて…」
ヤムライハは聖獣の魔力(マゴイ)の量に見開いていた瞳を更に大きくさせた。
その隣でアラジンが声を掛ける。
「聖獣さん、お願いがあるんだけど…。向こう側に僕の友達が怪我をしているんだ。治してくれるかい…?」
心配そうにアラジンが尋ねると、聖獣は案内してほしいと云わんばかりに彼の背中を押した。