第4章 帰還。
「なんでまた…」
アリババが困ったような呆れたような声で呟く。
白龍が示した方向には確かに“彼女”が居た。
まあ、ただ人間の姿をしていなかっただけで。
此れではいくら探しても見つからないわけである。
そんな彼の苦労も知らず、目の前に居る“彼女”…白い鷹は大きな丸い瞳で彼を見上げた。
“彼女”の周りは魚や肉や果物であふれかえっている。
モルジアナたちに聞けば、全て此処の人々がくれたのだと云う。
「あんたに会わせたい人が居るんだ。ついてきてくれると嬉しいんだけどさ」
アリババがそう伝えるが、白い鷹は黙っているだけだった。
しかし言葉は通じるようで、返事の代わりにバサリと翼を羽ばたかせ、彼の肩へと飛び乗った。
少しばかり驚いた彼だったが、ついてきてくれるのだと受け止め、其のまま歩みを進めた。
「ほら、モルジアナも白龍も行こうぜ」
アリババが声を掛けると、二人も揃って歩き出す。
暫く歩いていたが、どうにも周りの視線が気になる。
皆の視線の先には、やはりと云うべきかアリババの肩にとまる純白の美しい鷹。
興味深そうに、中には感嘆の息を漏らす者も。
“彼女”も何処か居心地が悪いのか、時折暴れるように翼を広げる。
そんな様子を見ていた白龍が云った。
「少し、俺に任せて貰えませんか」