第4章 帰還。
「そうだった!聞いておくれよ、おじさん!!実はね、」
「わー!わー!な、何でもないんです!!向こうの…トランの皆さんが手厚く看病してくれて!」
アラジンが向こうで起こったことを話そうとすると、アリババに何故か止められる。
「どうして止めるんだい、アリババくん」
「お前、考えてみろよ。こんな公衆の場で普通喋るか?」
「うーん…確かにそうだね」
アリババの意見も一理ある。
アラジンは目の前で不思議そうに首を傾げる彼に云った。
「おじさん。おじさんにどうしても会わせたい人がいるんだ。会ってくれるかい?」
「成程、俺に客人か。構わないさ」
「ありがとう!」
「それで…、その客人は一体何処だ?」
「「……あ」」
二人は揃って顔を見合わせる。
そう云えば“彼女”は何処に?
船を下りた時から“彼女”を見ていないような気がする。
サァーっと青ざめていく二人の顔。
「おい、アラジン…」
「う、うん。探しに行かなくちゃ!!おじさん、ちょっと待っててね!」
そう云って少年たちは駆け出す。
そんな彼らの様子をシンドバッドは笑って見ていた。
後ろで控えていたカフィーヤを被る彼…ジャーファルは呆れたように云う。
「全く、彼らは忙しいですね」
「ははっ!其れが彼らの良い所だろう?少なくとも俺は気に入ってるぞ」
「そうですか。…其れよりシン、」
「なんだ」
「今宵は酒など一滴たりとも飲まないでくださいね」
「…冗談だろう?」
「まさか……、公務が山積みなのをお忘れで?」
その表情は一国の王を黙らせたのだった。