第3章 任務
「結局イノセンスは空振りだったね」
「ま、あんだけAKUMA倒したし任務としては十分だろ」
「そうだね~。早く報告済ませてシャワー浴びたい」
AKUMAを倒した後、霧が晴れていきAKUMAの仕業だと知った。
霧が晴れたおかげで神田とラビとはあっさり再開できたのだ。
そして無事に教団に着き室長室に向かっている所だった。
「お腹空いた~疲れた~眠い~神田おんぶ~」
「ふざけんな、自分で歩け」
「えー、じゃあラビおんぶしてー」
「しょうがねえな。ったくどっちが年上か分かんないさ」
「わーい。ラビ優しい~」
「お前もこいつを甘やかすんじゃねえよ」
「神田はもっと私を甘やかしてもいいと思いまーす」
「ユウにそんな事言えるのあんな位さ」
正直な話、神田は教団内では怖がられている。
元々一人行動が好きなうえ、人の命を顧みない性格のせいだろう。
それでも私からしたら彼は大事な家族に含まれている。
そう、あれは6年前の事だ。
-----------------------------------
「…あんなです」
「ははっ、そんなに緊張しなくても大丈夫だよ?僕はコムイ」
イノセンスの適合者と発覚した私は教団へと連れて来られた。
家族は目の前で殺された。そう、AKUMAに。
「実はね、僕の妹も君と同じエクソシストなんだ。
よかったら友達になってくれるかい?」
「…はい」
「あんなちゃん、ありがとう」
それから数日後の事。
私が修練場に行った時だった。
そこには既に誰かが鍛錬している姿があった。
その子は私と年が近そうで、というか見るからに子供だった。
大人が多いこの場所で子供の存在はやはり目立つ。
(もしかして、コムイさんの妹…?)
その子は肩より長い黒髪でとても綺麗な顔立ちをしていた。
(コムイさんと髪色も似てる…間違いない)
そう思った私はその子の鍛錬が終わるまで近くで待ってる事にした。
しかし、そんな私に気付いたのか手を休めこちらを見る。
「なんだ、お前」
「あっ、私最近ここに来たあんなです」
「……」
彼女は黙ってこちらを見たままだ。