第3章 任務
ーガサゴソッ
突然近くの茂みで物音がした。
(何かいるっ!?)
「きゃっ!」
私の前に突然黄色い物体が飛び込んくる。
思わず驚いて尻もちをついてしまった。
「…一体、何…?」
「すみません、大丈夫ですか?」
「へっ?」
気付くと私の目の前には白髪の少年が手を差し伸べて立っていた。
とりあえず、差し伸べられた手を掴み起き上がる。
「すみません。ティムが驚かせてしまって…」
「ティム?」
そう言って私の肩に視線をやる彼。
私も彼につられ自分の肩に視線をやると、そこには先ほど飛んできた黄色い球体に羽が生えたものが乗っていた。
「なにこれっ!可愛い~っ!」
「あの、君もしかして」
彼が何か言いかけたその時だった。
茂みから今度はAKUMAが現れた。
「イノセンス発動、深影<ディープシャドウ>危ないからそこにいて」
薄い影の膜を張り、彼をその中に閉じ込める。
この中ならひとまず安心の筈だ。
「えっ、ちょっと!」
「それが壊れたら遠くに逃げるんだよ!」
そう言い残しAKUMAを引き付け彼の元から遠ざかった。
「あの子やっぱりエクソシストだったね、ティム」
白髪の少年の声はあんりに届くことはなかった。
しかし彼らが再開するまで遠くない未来だった。