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大切な物【D.Gray-man】

第12章 気持ち



「お前体調悪いんじゃなかったのかよ」

「へっ?私?」


神田にそう言われ記憶を辿る。
あー…そういえば、ラビが連れ出したんだった。すっかり忘れてた。


「あれ、勘違いだから!全然元気!」

「なんだそれ。まあ、いい。ちょうどいいから相手しろ」

「…いいよ。私も物足りないなって思ってたところだから」


こうして久々に神田と組手することになった。



















「はぁっ、はぁっ、…つかれた…」


結局、神田との組手は決着がつかないまま終わった。
しかしお互い擦り傷だらけだった。


「おまっ、最後イノセンス使うとか卑怯だろ」

「いや、あそこで発動してなかったら私今頃大怪我だよ?分かってる?」

「俺がそんなヘマするわけねぇだろ」


こんな事を言ってるが最後の攻撃は本当にヤバかった。
咄嗟に発動してしまったが私の判断は間違ってないだろう。


「はぁー…疲れたけどやっぱ神田と組手するのが一番楽しいや」

気付けば普通に神田と話せていることに嬉しくなった。
やっぱり何があっても神田が大切な人なのには変わりないのだ。


「ねえ、神田…。さっきラビに神田の事話したの」

「……」


神田は黙って私を見ていた。


「神田の事異性として好きなのか分かんないんだけど、他の人は違うんだなってのは分かった」

「馬鹿ウサギに何か言われたのか?」

「言われたっていうか、実はラビに壁ドンされたんだけど神田の時と違うなってそこで気付いたんだよね」

「…はぁ…」


相変わらず隙だらけのあんなに呆れてため息が出る。
しかし、そんなのはお構いなしの様子のあんなだった。


「ラビってばすごいんだよ!さすが恋愛マスターって感じ!これから師匠って呼ぶ!…心の中でっ!」

「お前馬鹿だろ」

「はっ?何急に?大体、馬鹿って言う方が馬鹿なんです~」


すっかりいつも通りの二人に戻り、今に至るわけである。








「ジェリーさん…カボチャの天ぷら食べたい…」

「あらん?足りなかったかしら?」

「神田に取られた…」

神田め!許さんぞ!食べ物の恨みは怖いんだって事をいつか絶対思い知らせてやる!



一人復讐に燃えていたあんなだった。





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