第3章 任務
それにしても、ちょっと強気な子なのね。
確かにこの感じだと友達出来ないかも…だからコムイさん私に頼んだんだ。
「あなたの名前は?」
「…チッ。神田ユウ」
え、舌打ちしたように聞こえたんだけど気のせい?
それにコムイさんと苗字が違う気がするんだけど。
とにかく疑問が多かったが複雑な家庭の子なのね…とあまり深く気にしなかった。
「ユウちゃんねっ!よろしくね!」
「あぁっ?」
「もう!さっきから何でそんな喧嘩腰なの?仲良くしようよ」
「おーい!あんなちゃーん!って神田くんもいたの?」
「あ、コムイさん!」
「あんなちゃんもうリナリーには会ったかい?」
「へっ?リナリー?」
「あぁ、言ってなかったかな?僕の世界一可愛い妹だよ~」
ん?待て待て…それじゃあ今目の前にいるこの子は…
「もしかして…コムイさんの妹じゃない…?」
「テメェ、何言ってやがんだ。そもそも俺は男だッ!」
「てっきり女の子かと…ごめんね?ユウちゃん?」
ープチンッ
「ユウちゃんはやめろッ!」
鬼のような形相でこっちを睨んでいたユウちゃん…いや、神田がそこにはいた。
その後コムイさんに連れられ本物の妹と対面したのだ。
「ーでね、すっごい顔だったの!あれ鬼だよ鬼!
リナリーちゃんも気を付けた方がいいよ」
「…ふふっ。あんなちゃんって面白い」
「あんなでいいよ」
「私も、リナリーって呼んで」
こうして私たちは同性で年も近いこともあって仲良くなるまで
あまり時間はかからなかった。
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それからというもの、神田とも顔を合わせることが増え、気付けば神田やリナリーが傍にいるのが当たり前のなっていった。
今となってはここが私の家で皆が私の家族だ。
これからも皆一緒にいれたらそれで幸せだ。
ただただ私はこの日常が続けばいいと願った。