第12章 気持ち
暫く歩けばすぐに医務室に向かってるのではないと気付く。
「ラビ?医務室あっちだよ?」
「あぁ。知ってるさ」
「医務室行くんじゃ…?」
そこでようやく私を地面に降ろしてくれた。
「おしっ、ここまで来ればもう大丈夫さ」
「え?」
「で、何があったんさ?ユウと何かあったんだろ?」
いきなり確信を付かれて思わずポカンとしてしまう。
「な、なんでっ…」
「ったく、俺の本職忘れたのか?これでも人を観察するのは得意なんさ」
「あ…そうだった…」
ラビはブックマンだった事を思い出す。いつもへらへら~っとしているが何かを観察し記録することに長けているのだ。
「ほら、お兄さんに話してみ?」
「いや、お兄さんって…」
一応私の方が年上なんだけど…と思ったが黙っていた。
色々見て来たラビならこの解決方法も分かるかもしれないと思った私は事の経緯を話すことにした。
「え…マジッ!?」
「うん。私もビックリしちゃって…」
私が説明すればラビの目は大きく見開かれ心底驚いてる様子だった。
「まさかユウが…。あんなってば夢でも見たんじゃね」
「やだ私ったらー。変な夢見ちゃった。アハハー」
「「…はぁっ」」
一瞬現実逃避するもすぐに現実に戻ってくる。
夢ならどんなに良かったか。
「あんなはどうしたいんさ?」
「…正直どうしていいかわかんないよ」
「まあ、恋愛なんてあんなには程遠い話だもんな」
ケラケラ笑ってるラビにぐうの音も出ない。
確かに私にとってずっと無縁なものだと思っていたからだ。