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大切な物【D.Gray-man】

第11章 優しい守り番



自分たちが止まっていた宿に着くなり私はベットへと飛び込む。
もう時間もだいぶ遅い。色々あって疲れていた私はすぐに夢の中へと落ちていった。







ーバンッ



「…ん、うるさ…」


部屋のドアがすごい勢いで開けられその音で目が覚める。
そして部屋の中にゾロゾロと入って来た村の人たち。



「花嫁様っ!!」

「はっ?」

「何なんですかこの人たち」


突然入って来たかと思えば花嫁様、と私の方を見ている。
意味が分からない。アレンも驚いているようだ。


「今朝、山の神からお告げを頂きました」

すると一人の老人が口を開く。

(この人、昨夜私の事拉致した人じゃん…)


「此度の供物が大変気に入ったようで、もう捧げ物は要らぬとの事でした」

「はぁ…?」

「ささ、早くご支度を!」

「ちょ、待って待って」

「山の神がお待ちですぞ」


私をベットから無理やり引きずりだしどこかへ連れて行こうとする。
そもそも話の展開についていけていない。



「貴方たちあんなに何を?」

「何を、って…この花嫁様を山の神の元へ送るため支度をするのです」

「「はいっ?」」

「これで、もう供物を捧げなくて済むのです。いやー、花嫁様のおかげですな」



なるほど…。そう言う事か、とようやくこの出来事を理解する。
これはウィルの作戦なのだろう。


私が彼に言った通りこの村の風習を無くすにはこれが一番手っ取り早いのだろう。
そうと分かれば話を合わせるしかない。



「そ、そうなの!昨日山の神に会って気に入られちゃったんですよー!あはは」

「あんな?」


まだ理解していないアレンに、話合わせてと小声で伝える。


「ささ、こちらへ」

「はーい」


私は彼らの言われるがままに着いて行った。
部屋を出る前に神田のベットをチラッと見たが彼の姿は無かった。



(…どこ行ったんだろ?)




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