第11章 優しい守り番
「か、神田!」
「何やってんだ、お前は」
気付けばウィルの首元には刀の切っ先が向けられている。
「敵じゃないから六幻しまって!ウィルも!神田は仲間だから警戒しないで」
睨みあったままの二人だったが、先に折れたのはウィルだ。
私の上から退いたのを確認し、神田も六幻を納めてくれる。
「で、これは一体どういうことなんだ?」
「あー…実はですね…」
いつも以上に機嫌が悪そうに神田が私に説明を求めてくる。
私はここまでのいきさつを説明した。
「勝手な行動するんじゃねーよ」
「ごめんなさい…」
神田に怒られてしまいへこむも、あのタイミングで神田が来てくれたことにホッとした自分がいた。
「ところでアレンは?」
「知らん。置いてきた」
あー…方向音痴のアレンを置いてきちゃったのか。
彷徨ってなければいいんだけど、と少し心配になる。
その時だった。
ードォンッ
少し離れた場所から爆発音が聞こえて来た。
「私、様子見てくる!二人はここで待ってて」
もしかしたらさっきウィルを攻撃した奴かもしれない。
そう思い急いで音のした方へと駆け出した。
「…確かこの辺だったはずなんだけど」
「あんなっ!!」
「アレン!良かったここに居たんだね」
爆発音の位置を探っているとたまたま居合わせたアレンと合流することが出来た。
「アレンも爆発音を追ってきたの?」
「さっきAKUMAと戦闘になって…こっちの方に逃げた筈なんです」
先ほどの爆発音はアレンがAKUMAと戦闘によるものだったらしい。
だがしかし、逃げたと言う事はまだこの辺にいるはず。
「それより、どこに行ってたんですか?心配したんですよ」
「ごめん…ちょっと色々あって…後で話すね」
今はゆっくり説明してる時間はない。
とにかくAKUMAを探すのが先だ。