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大切な物【D.Gray-man】

第11章 優しい守り番



「この泉が…」

「まだ確証はないけど、可能性は高いかな」

「そう、か…」

「それにさっき襲ってきたのがAKUMAだったら説明がつく」



さっき襲ってきた正体は確かめることが出来なかったがあれは獣の仕業とは思えない。
ただ、ウィルの結界のおかげがここまでは追ってこれないようだ。



「もし、これがそのイノセンスだとしたらお前はそれを持っていくのか」

「…ごめんね」

「謝るな。…調べたければ調べればいい」

「いいの…?」

「二言はない」

「ありがとう」



少し気が引けたが泉を調べることにした。
もし、イノセンスならここに置いておくわけにはいかない。


「だが、どうやって調べるんだ?」

「最終的には潜るかもだけど、ひとまず上から見てみようかな」

「上からってどうやって」



思ったより広い泉で、さすがに潜って探すのは骨が折れる。
ある程度目星をつけてからの方が効率がいいと思った私はイノセンスを発動させる。



「なんだ、それは」

「これが私のイノセンス。これで足場を作って…ほら、こうするの」



水面に影を作り出しその上に乗って見せる。
山の神といえどさすがにビックリした様で目を見開いていた。



「ふふっ、ウィルも一緒に見る?」


そう言って手を差し出せば、彼はゆっくりと私の手を掴み影へと足を踏み出す。



「…落ちたりしないのか?」

「私が発動を解かない限り大丈夫だよ」



安心させようと掴んだ手をギュッっと握ってあげれば彼もまたギュッと握り返してくる。


「ほら、じゃあ調べてみよ」

「うわっ!!急に引っ張るな」



思ったよりいい反応をしてくれる彼につい悪戯心が芽生えてしまう。
これがSの人の気持ちなのだろうか?なんて思ったりもした。


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