第9章 新しい仲間
ーーガタンッ ゴトンッ
「…んん」
汽車の揺れで目が覚める。
目を開けると何故か先ほどまでいたアレンとラビがいなくなっていた。
「あれ?…どこ行ったの…?」
さすがに置いてくなんて酷いことはしないだろうけど…
でも、何かあったのかな?と心配になる。
「探しに行こっ」
私は立ち上がり汽車の中を探すことにした。
とは言っても通路一本道だ。見つけるまでそう時間はかからなかった。
「ねえ…何してるの…?」
ある車両に入ると私の目に入って来たのはパンツ一丁の男3人組。
何故かクロウリーもパンツ一枚だ。
「あぁ!あんな!実はこいつらとポーカーで勝負してるんさ」
「へぇー…」
大の大人4人のパンツ一枚の姿なんて見苦しい。
思わず冷たい反応をしてしまう。
「あの子は…?」
三人組の傍で大人しく座っている小さな男の子が目に入る。
「あぁ、こいつは俺らの仲間。な、イーズ?」
三人組のうちの一人がそう教えてくれる。
「…可愛いっ!!」
私はイーズと呼ばれた少年の傍に行った。
「大人しく待ってて偉いね~。あ、そうだクッキーあげる!」
「…ありがとう」
「んん~!可愛い~!いい子~!」
思わず少年を抱きしめる。このままお持ち帰りしたい…。
私とイーズは彼らのポーカーが終わるまで他愛もない話をして過ごした。
ーーーカンカンカンッ
汽車の発車の音が鳴り響く。
「イーズ!またね~!そこのパンツ野郎達にちゃんとご飯食べさしてもらうんだよ~」
「…またね」
「お嬢ちゃん中々口が悪いね~ははっ」
こうしてちょっとした出会いと別れをした私たちは私たちのホームへと向かうのだった。