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大切な物【D.Gray-man】

第9章 新しい仲間




「わー、なにこれ、すっごく可愛い~」


AKUMA討伐の任務が終わり、汽車に乗るまで時間のあった私は近くの街を観て回っていた。


「こっちも可愛い!って、これ…神田に似てる」


黒い目つきの悪い猫のぬいぐるみを手に取る。
思わず数日前の事を思い出し顔が赤くなる。


結局リナリー達の様子がおかしかったのは薬の副作用だったらしい。なんでもフェロモン増強だとか?
幸い、リナリーも他の女子たちも覚えていないようでそこは助かった。



「ただ…男には効いてないから意味ないんだけど…」


薬の影響を受けたのは女子だけで男共には何の影響もなかったのだ。
まあ、要はあれだ…。神田はちゃんと覚えてるってことだ。



「わざと知らないふりしてさ…何考えてるんだか」

はぁっ、とついついため息が出てしまう。



「お嬢ちゃん、それ気に入ったのかい?」

「へっ?あっ…いや…」

「買ってくかい?」


いつまでもぬいぐるみを手に持ったままの私を悩んでると勘違いしたのか店主が声を掛けてくる。


その時だった。急に頭に重みを感じる。


「こんな所で何してるんさー?」

「ちょ、ラビっ!?重いっ!!」


重みの正体はラビだった。
ちょっと身長がでかいからってこれ見よがしに私の頭に腕を載せるのはやめて欲しい。



「あれ?アレンもいる?二人とも任務?」

「そうなんです。僕たち今から教団に帰る所なんですよ」

「あ、じゃあ私と一緒だ。私も今から帰るとこー」

「で、あんなはこのぬいぐるみが欲しいんか?」



私の手にあったぬいぐるみをひょいと掴む。



「いや、そうじゃなくて…それ神田に似てるなって思って」

「うわっ、言われてみれば確かに似てるさ。この目つきとか特に」

「この憎たらしい顔、そっくりですね」

「ぷっ、やっぱりそう思う?…あっ、こっちの白いのはアレンに似てない?」


近くに置いてある白い猫のぬいぐるみが目に留まる。
アレンにそっくりだ。



しかし、アレンは納得がいかないようで不満そうな顔をしている。


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