第7章 怪しい物には気を付けよう
「ごめんなさい。私てっきり二人があんなに変な事してるのかと…」
事情を知ったリナリーは申し訳なさそうに謝っていた。
あの状況じゃ仕方ない。ラビは私の服を捲り上げそれを凝視するコムイさん。
勘違いしない方がおかしいだろう。
「リナリーは悪くないよ。大体二人ともデリカシーなさすぎ!」
「「すみません…」」
「で、本当にコムイさん知らないの?」
落ち着いたところで再度問いただす。
「ぼ、僕じゃないよ!ココアにいれたのはコレだよ!」
そう言って空の瓶を差し出してくる。
しかしその瓶を手にした私は固まる。
「…これ…<性転換>って書いてあるけど?どこに疲労回復って書いてあるの?」
「えー、そんな筈はないよっ!…あっ…間違えちゃった☆てへっ」
「リナリーお願い」
「兄さん…反省しなさいっ!!」
再びリナリーの蹴りがコムイさんに直撃する。
はぁっ…。やっぱり。絶対そうだと思ったよ。
大体こんなおかしな事コムイさん以外ありえないでしょっ!
「いつ戻るの?これ」
「……」
「だーかーらー、これいつ戻るの?解毒剤とかないんですか?」
「…そ、そのうち?」
そのうちって何だあああ!要はあれだ。
解毒剤ない上に効果がいつ切れるか分かんないってことか。
「はぁっ…」
「2,3日で戻ると思うから!ごめんねあんなちゃん」
シュンッとした顔でそう言われてしまったら何も言えない。
仕方ない。2、3日なら我慢するか…。
「分かりました。どーせ、大して困ることもないだろうし」
そうこの時はそう思っていたのだ。
2,3日なんてあっという間だと。
しかし、とんでもない事が待ち構えているとはこの時はまだ知らない。