第6章 優しさ
「クソッ!エクソシストがッ!」
仕掛けさえ分かればなんてことはない。
さっさと片づけよう。
「ばーか。俺だけかと思ったら大間違いなんだよ~」
「ぐあッ!」
後ろから誰かに吹き飛ばされ扉に叩きつけられる。
再び扉の前まで来てしまった私の体はまた沈み始める。
「…クッ。仲間がいたのか…」
「油断したな~エクソシスト~!死ねェッ!」
ードンドンッ
AKUMAの砲弾が私めがけ飛んでくる。
しまった!間に合わないッ!
「界蟲一幻ッ」
聞き覚えのある声にハッとする。
「神田っ!」
「ボケッとすんな。次が来る」
間一髪で神田の助けが入り何とか無事だ。
ついでに沈む床から引っこ抜いてくれた。
「ごめん。ありがと」
「さっさと片づけるぞ」
「うんっ」
神田が加勢に加わったおかげかAKUMAを倒すのにそう時間はかからなかった。
「これで、全部?」
「恐らくな」
後ろの車両にもAKUMAがいたらしいが神田が全て片づけたようだ。
「無人の列車ってAKUMAの仕業だったんだね」
「そうみたいだな」
「ところで…この列車はいつ止まるの?」
二人の間に沈黙が流れる。
AKUMAを倒した今この列車は誰が動かしているんだ?
サーッと血の気が引いていく。
「そ、そいえばさ…いや、勘違いかもしれないんだけどさ…」
「なんだよ。ハッキリしろ」
「この先って、確か橋が落ちてるんじゃなかったっけ?」
「…チッ」
確か資料に書かれていたはずだ。
一週間前に橋が落ちて工事中になっていると。
「あっ、神田!どこ行くの?」
「止める」
そういうと運転室へと向かう神田。
私も慌てて後を追う。