第5章 マテールの遺跡
「うわっ、蜘蛛の巣…。最悪…」
頭に着いた蜘蛛の巣を払いながら思わず愚痴が零れる。
私は今古代都市マテールに来ていた。
ちょうどアレンと神田が2日前に任務へと出発した場所だ。
何故私が今ここに居るかというと遡ること数時間前。
「アレン君達と合流してイノセンスを回収出来次第
あんなちゃんと神田くんは別の任務に行って欲しいんだ」
「はーい。てかアレンと神田一緒に任務行ったんだ…大丈夫かな」
「今頃仲良くなっちゃってたりして~」
「「あははッ」」
「ないな…」
「うん。ないね…」
というわけで、私は二人の後を追ってマテールに来たわけだ。
途中、ティムが私の元へ飛んできて今は道案内をしてもらっている所だ。
「ティムは優秀だね~。私もこんなゴーレム欲しいな~」
それにしても、ここに来るまでに激しい戦闘の詰め痕が残っていたのがきになる。
イノセンスを狙ってAKUMAが襲撃して来たのだろう。
「…二人とも大丈夫かな」
「ガウッ」
「ふふっ、大丈夫!って言ってるのかな?」
喋りはしないが、心配するなと言ってるように見えた。
私もこんなゴーレム欲しいな~、そう思った時だった。
グラグラと足元が大きく揺れる。
「な、なに今の…」
ーピシッ
「ん?…きゃぁぁぁぁぁっ」
今の揺れのせいか足元に亀裂が入り私は下へと落ちていった。