第5章 マテールの遺跡
「ストップ。関係ないとこ悪いですけど、そういう言い方はないと思いますよ」
アレンが神田の腕を掴みバズを締め上げるのを止める。
そのおかげでバズは解放され地面に崩れ落ちる。
「…放せよ。モヤシ」
「アレンです」
「ハッ、一か月殉職しなかったら覚えてやるよ。
ここじゃパタパタ死んでく奴らが多いからな、こいつらみたいに」
お互い睨みあったまま今にも一発触発の雰囲気だ。
「早死にするぜお前…キライなタイプだ…」
「そりゃ、どうも」
そんな時だった。
「おーい!神田!アレン!10分で飯食って司令室へ来てくれ、任務だ」
ちょうど食堂の前を通りがかったリーバーさんの声によってこの騒ぎは終止符が打たれる。
それを聞いた神田はさっさとその場を去ろうとするが私はそれを呼び止める。
「神田!」
足を止め、なんだ?と言いたげな目でこちらをチラリと見る。
先ほどの事もあってか、かなり機嫌が悪そうだ。
「いってらっしゃい!」
「…フンッ」
一瞬食堂の雰囲気がザワッとなったが気にしない。
こうして食堂にはいつもの空気が流れたのだった。
「あんなは神田のあの態度を見て何も思わないんですか?」
「何も思わないわけないじゃん。さすがに私だってあの言い方はムカつくよ?」
「じゃあ、なんで…」
「なんで笑顔で送り出したか?でしょ?」
一瞬ザワッとした空気はこれが原因だろう。
あんな態度を取った奴と慣れあうなんて!って所だろう。
「私がそうしたかっただけだよ。ほら、そんな事よりご飯食べないと時間無くなっちゃうよ?」
「あぁっ、そうだった!急がないと」
慌ててご飯を食べアレンも指令室へと向かって行った。