第7章 7
港のとある船
「…オイ、アンタに土産だ」
月の満ち欠けをみながら煙管を楽しめば話しかけられる
「俺に土産とは…そりゃ大層なモンなんか?」
ゆっくりと似蔵の方へ振り向けばその手の中には眠っている顔は見えないが女がいる
「俺は知らねーがアンタの事を探していたみたいだぜこの女」
「俺にね…」
近寄り顔を見れば一瞬だけ表情が変わる
そして似蔵もその異変を気付く
「…その女寄越せ…俺の部屋に連れていく」
無理やり彼女を似蔵の腕の中から奪い自分のものだと言わんばかり力強く抱き締める
「…これは怖いね…」
「…ふん…」
タンタン…と歩き部屋については鍵をかけそのまま寝かせる
「…なんでこんな所まで来たんだ…」
眠っている女……
かつて…………だった女…
まみをみながら俺はただ思うだけ