第3章 保健委員会と手負い人 の段
そこまで言って、学園長はチラリと横を見た。
「おぬしは確か山田利吉の友人の・・・じゃったな」
呼びかけられ、学園長の不思議な登場に戸惑っていた
は頭を下げた。
(この人は恐らく・・・)
は思うところがあったが、ひとまずはおとなしく呼ばれた隠し名に頷く。
「・・・学園長先生、突然の来訪、お許し下さい」
『』が言うと、学園長は片目を見開き、『』に鋭い眼光を向ける。
だが、すぐにいつものお茶目な学園長の顔を装い、ポンッと手を打った。
「そうじゃ! おぬしも土井先生と一緒に留守居を手伝ってくれんか?」
突然の学園長の思いつき。名案、名案と頷く学園長なの戸惑ったのは無論言われた当人だ。
「へっ? いや、お気づきかと思いますが、情けないかな僕は今手負いでして-」
「手負いだろうと、忍たまよりは使えるじゃろう! 新野先生が戻ってきたら治療をしてもらえばよい。それまでは留守居じゃ。よいな!」
有無も言わせぬ口調。
既に決定事項となったそれに、は思わず
「はい、わかりました・・・」
と首を縦に振る。
学園長は満足げに頷くと、半助に向き直った。
「土井先生、留守居の間、部屋にを置いてやりなさい。山田先生がおらんから大丈夫じゃろう」
「えっ・・・くんを私の部屋にですか!?」
突然の思いつきに慌てる半助。
(学園長はくんのこと男だと思ってるから仕方ないけど、さすがにそれは・・・長屋でも一緒に寝たけど、あれはきり丸も一緒だったから・・・)
慌てる半助。
『』がという女だとわかっているきり丸も、
(あらら、どうすんだろ)
と思いつつ、挟む機転が見当たらない。
焦る、悩む二人に対し言葉を続けたのは、悩む忍たまと同室の忍たまと、悩める教師の同室になろうとしているフリー忍者の二人だった。
「さん、土井先生のところに泊めて貰うんですか? よかったですね♪」
「あっ、僕、土井先生のところがいいです☆ ありがとうございます、学園長!」
「「乱太郎~!? くん(さん)!?」」
あっさり賛同の意を表した二人に、半助ときり丸は揃って叫びを上げた。