第1章 先輩。1
赤葦side
俺と春歌は幼馴染みで小さい頃からずっと一緒にいた。小中ずっと一緒で高校に行ってもどうせ一緒だろう。と一緒にいることが当たり前だった。
俺は春歌が好きだった。
初恋だった。
「あ、ありがとうございます。」
あいつのあんな顔は初めてだった。
いままで1度もみたことがない顔。
真っ赤だった。
いつも俺の後ろをただ付いていくだけのあいつが自分から離れて行くなんて思いもしなかった。
「私、音駒行く。」
あぁ、やっぱり。あいつはあの人に恋をしたんだ。
俺は何も言えなかった。
ずっと一緒だって叶うはずなんてない。
お前はずっと俺の後ろを付いていくだけでいいんだよ。
なんて、口が裂けても言えない。