第1章 ずっと、これからも片想い
私は声優さんが大好きな、オタク混じりな女の子。とは言っても、私が声優さん好きになったのは、裕くんのせいだ。
幼馴染みの裕くんとは、家が隣同士で、お互いの家に入り浸ることもしばしば。高校生になっても変わらずだったから、親にも心配されたくらいだ。もう年頃なんだから、って。そんなの分かってる。私だって、何の考えもなしで裕くんの部屋に入り浸っている訳では無い。
私が裕くんに恋心を抱いていると気づいたのは、中学2年の時。私の友達が、裕くんの事が好きだから協力して、と頼んできたのがきっかけ。裕くんは誰にも渡したくないって思った。でもそんな事を言える勇気なんてないから、協力はした。結局、その子は裕くんに振られちゃったけど。すっごく安心したのを覚えている。我ながら、かなり性格が悪いな、と思ったけど。
それからは、更に裕くんの部屋に通うようになった。登下校だって、ずっと一緒だ。ストーカー?監視?そんなの知らない。好きな人を奪われたくないのなんて、誰でも一緒でしょ?それに、誘ってきたのは裕くんだから、問題は無い。例え、裕くんが私のことをただの仲のいい幼馴染みだとしか思っていないとしても、別に構わなかった。それで傍にいられるのなら、別に何でもいい。
高校ももちろん一緒だ。
高校1年生の時、裕くんの部屋でマンガを見つけたから読んでいると、それにどハマりした。裕くんにアニメもあるよ、と勧められて観てみると、主人公の声にすごく惹かれた。裕くんに聞いてみると、実力派の有名な声優さんで、裕くんも大好きならしい。それを聞いた瞬間に、私も声優さんに興味を持った。だって、裕くんが大好きなものなんだよ?知らなきゃだめじゃない。
そして、気付けば声優さんどころか、アニメにもハマってしまった。
ね?
裕くんのせいでしょ?