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言ノ葉。【R-18*梶裕貴】

第1章 ずっと、これからも片想い


「俺、声優になりたいんだ」

私が君に、だめ!だなんて言えるはずがない。言えないに決まってる。君には才能がある。だから、人気になるのだなんて目に見えていた。

頑張って。
──嫌だ、やめて。

人気になりますように。
──人気になんてなって欲しくない。

有名になってね。
──有名になんてならないで。

私だけの裕くんでいてよ!

なんて、言える訳がなくて。
頑張って欲しい。裕くんがうまくいきますように。そう強く思えば思うほど、後から後からそれと同じくらい強い嫌な気持ちも溢れてくる。

声優になりたい、と目を輝かせながら私に言った君には見せられないくらいの、暗くて汚くて嫌な私。そんなのは全部心の奥底でせき止めて、私はいつもの"いい幼馴染み"を演じる。

「裕くんになら出来るよ!応援してるから!」

君は、ありがとうって私に笑いかける。

「ゆりはやっぱり優しいね」

私が優しい?

私の本当の気持ちを知ったら、幻滅するくせに。幼馴染みっていう、こんな脆い鎖なんて簡単に断ち切っちゃうくせに。

ほんと、大嫌い。














うそ。
大好きだ、ばか。
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