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I don't like you 〜耳をすませば〜

第2章 夏に始まる


ー星海sideー

星海「ほんとにやだ!下手だもん!」

聖司「大丈夫だって。笑わないでいてやるよ。」

なにこいつ。やけにムカつくこと言ったぞ。

聖司「キスしてもいいんだな?」

星海「本気じゃないのに言うことじゃありません。」

聖司「冗談だよ。はやく。」

私はしぶしぶとケースからバイオリンを出した。

楽器を構えた。

そして、部屋全体にバイオリンの音が鳴り響く。

聖司は目を大きく見開いていた。

演奏が終わると聖司は目を輝かせていた。

聖司「お前すげぇよ!

2年ぶりに聴いた……成長したな!」

私は嬉し…かった。

から、にやけてしまった。

聖司「お前バイオリン好きか?」

星海「えっ?………うん。」

聖司「この先続ける気あるか?」

星海「うん……できるのなら。」

聖司「ちょうどいいや!!

俺、一流のバイオリンづくりになるから!
そしたら、俺のバイオリンを弾いてくれないか!?」

と、顔をずいっと私には近づけた。

星海「いっ……いいよ。」

聖司「ほんとか!?

やった!」

あ。聖司って笑うとこんなに可愛いんだな。

星海「大袈裟だよ…… !?」

突然体が前に倒れそうになった。

バイオリンのケースにつまずいてしまったのだ。

星海「うわっ!?」

聖司「っ!危ない!」

ドサッ!!

大きな振動と共に、私は目を開いた。

聖司「大丈夫か!?」

私は聖司の上にいた。

え。待って。こんな少女漫画みたいな展開ある?

星海「ごめんっ!聖司!潰しちゃった…」

聖司「いいって。無事でよかった。」

と、聖司は笑った。


ドクンッ

胸が高鳴った。


なんだろう。この感覚は。

聖司「よしっ。勉強するか。」

星海「うっ…うん!」

私は勉強でその感覚をごまかした。
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