I don't like you 〜耳をすませば〜
第2章 夏に始まる
ー聖司sideー
母「学校で倒れるなんて!!我慢しろって言ったのに!!!
成績下がるじゃない!!!
ほんとにクズね!!!!あぁぁぁもう!!」
そして、手を振り上げ星海を平手打ちした。
パチィィン!!
聖司「!!!」
母「アンタにはまだお仕置きが必要ね。」
そう言い、星海の髪の毛を引っ張る。
母「土下座して謝りなさい。
それくらいしなきゃねぇ。」
そう言われ、星海は床に乱暴に放り投げられた。
星海「本日は………体調を崩し……お母様にご迷惑をお掛けしました。
申し訳ございませんでした。」
母「はぁ。
いい?あなたには私の足りなかったものを満たして貰わないといけないのよ。」
喋りながら星海の周りをくるくる回った。
母「だから成績も、オール5を取るのが普通になってもらわないと困るわ。」
星海「はい。」
母「ふふ。いいこね。仕方ないから今日は休んでもいいわ。
けど、家庭教師を今日は5人呼ぶわよ。2時間ずつで交代して貰って10時間ね。今、9時半だから…」
星海………
その時俺は気づいた。
星海『聖司には分かんないよ!』
こういう事だったのか。
俺……全然知らないのに…あんなに偉そうな態度を……
俺は持ってきた荷物を持ち、中に入った。
母「あらぁ!聖司くん!!」
聖司「こんにちは。」
母「あら!これ荷物!?ありがとう!!」
さっきとは全く違う人みたいだ。
母「ありがとうね!」
聖司「お大事に。」
星海が乱れた髪のまま、歩いている。
星海「ありがとう。」
声をかけてもらうだけでも嬉しかった。
聖司「あぁ。」
そう言うと星海は保健室から出た。