• テキストサイズ

名の無い関係

第17章 離れる距離と近付く距離


巨人が襲うのは人間のみ。
ならば予め予備の馬や補給物資を積んだ荷馬車を壁外に出しておき、開門と同時に本体がマリア内地へ駆け抜けるというものだ。
そうする為には扉周辺に集まる巨人を予め排除しておかなければならない。
それを駐屯兵団に頼みたいとエルヴィンは言った。


「だけ、とはまた簡単に言ったもんじゃなぁ。」

『以前、駐屯兵団の力はこの目で見ていますからね。あの時よりも更に強化されているのでしょう?』


これはまた痛い所をつかれたな、とピクシスは苦笑いだ。
腑抜けた駐屯兵団の誤爆で調査兵団にまで被害が出た事は事実。


「わかった、承諾しよう。」

『ご協力、ありがとうございます。』


アゲハは勝った!と心底嬉しそうに頭を下げた。


「しかし、新しい団長殿は余程の切れ者の様だな。どんな男なんだい、君の上官は。」

『そうですね、エルヴィン・スミスという男は私にとっては太陽の様な存在です。』


君の様に若くて綺麗で賢い部下にそこまで慕われ彼はさぞかし幸せだなとピクシスは言った。
/ 130ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp