第14章 最強争奪戦
いつの間にかリヴァイはその場から離れており、残ったのはアゲハだけだった。
「対人戦闘訓練を取り入れたとは聞いてないぞ?」
『わかってるでしょ、聞かなくてもさ。』
まだ地面に座ったままだった彼女に手を差し伸べる。
立ち上がらせようと掴んだ手に力を入れると改めて感じる華奢な重さ。
どんなに強い兵士であっても、自分達とは明らかに違う。
「予想はつくよ、君が負けるのが許せないんだろう。」
立ち上がった彼女は、服に付いた埃を払いながら言った。
『どうしたらわかってくれるんだろ。』
参ったなぁ、とアゲハにしては珍しく本気で悩んでいるようだった。