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【A3!】監督と真澄くんの話

第1章 1


「あ、私の部屋、座布団とかないから…そうだな、床も何だし、ベッドの上に座って。」
ドアを閉めながら私がそう言うと真澄くんは目を見張って私を振り返った。そして、
「あんた…はあ」
大きめのため息。
「な、何でそこでため息なのよ!」
「別に?…知らないからな。」
(な、何よ…!やっぱり前言撤k…)
はぐらかされて私がムスッとしているうちに、真澄くんはベッドの上に腰掛けた。
(…んー、拗ねててもしょうがない!ここは監督として、いち大人として話を聞いてあげようじゃない!)
私は真澄くんの左側に少し間を空けて座った。
「それで?こんな時間にどうしたの?」
「…」
そういうと、真澄くんはまたさっきの弱々しい顔つきに戻ってしまった。
(うーん、ずいぶん話辛そうだな。どうしたものか…)
「……。あの、さ、」
「ん?」
真澄くんが意を決した様子でこちらを見た。
「あのさ、…俺、あんたのことが好き。」
「へ?え、あ、うん。知ってる…かな?」
「っ、…そうじゃなくて」
「?」
「そうじゃなくて……っ!」
「ま、真澄君!?どど、どうしたの!?」
真澄くんの瞳からみるみるうちに涙が溢れ始めた。
「っ、…ぅっ」
同時に唇を噛み締めながら、声にならない息を漏らす。
膝の上で拳を硬く握り、静かに涙を流す様子は、時間を気にしてと言うよりも、とても悔しそうな感じがした。
(う、嘘…!なんで泣いてるの!?)
「ま、真澄くん…」
(どうしよう…こういう時どうしたらいいんだろ…)
あたふたしていると、ふいに、
昔の出来事が蘇ってきた。
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