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【A3!】監督と真澄くんの話

第1章 1


「さて、そろそろ寝ようかな。」
明日までにまとめなきゃいけなかった左京さんへの予算案も纏まり、今日はいつもより早めに寝られそうだ。
ふとベットの上のデジタル時計を目をやると、ちょうどAM2時を指していた。
(まあ…早いっていっても、もうこんな時間だけど。)
開いてたパソコンを閉じながら机の電気を消し、ベッドに向かう。
(明日は私が朝ごはん当番日だから…6時前には起きなきゃだ。うう、睡眠時間4時間弱…あ、献立どうしようかな。)
ベッドに腰掛けながらアラームをセットし、明日メニューに思考を巡らせる。
団員のみんなから、カレー以外のものも作って欲しいと懇願され早数日。
カレー以外のメニューにもチャレンジし始めた。
元々料理は一人暮らしの時から趣味でやってたこともあって、まあ、普通に出来る。流石に得意のカレーレベルのクオリティで何でも作れるわけじゃないけど、それなりに人様に提供出来るものは作れてるはず。
だけど…
(問題はそこじゃないんだよなあ。うちの劇団は私以外男しかいないけど、結構年齢の幅が広いし…
10代の子たちは朝からガッツリでもいいだろうけど…左京さんとかは嫌そうだし、うーん…。)
コンコンッ。
「ん?」
腕組みをしがら唸っていると不意にドアがノックされた。
「はーい。」
声を抑えつつ返事をし、ベッドから立ち上がる。
(こんな時間に誰だろ…)
音を立てないようにドアを開くと、真っ暗な廊下に真澄くんが立っていた。
「真澄くん?どうしたの?こんな夜遅くに。」
「あ、…えと…」
いつもの真澄くんらしからぬ、歯切れの悪い返事が返って来た。
(何だろ…?…あ、もしかして何か相談に来たのかな。)
こんな時間を選んで来るなんて、監督である私以外に知られたくないことかもしれない。
(今ならみんな寝てるし、そこを見計らって来たのかも。)
「あー、真澄くん。立ち話も何だから、さ。取り敢えず中入る?」
「っ、いいのか?」
「どうぞどうぞ。」
不安そうな真澄くんに笑いかけると、少し安心した様子で部屋の中に入ってくれた。
(何か真澄くんやけに素直…)
普段から慕ってはくれているものの、だいぶ変な方向からだし、こんな風に素直な姿を見ると何だか愛らしく感じてしまう。ちょっとキュンとする…かも。

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