第4章 3対3
日向くんと影山くんと入れ替わりで
澤村さんと菅原さんが入ってきた
「だ、大地さんスガさん!はざっす!」
「おう、遅刻常習犯のくせに今日は早いんだな?何かしてたのか?」
「え、あの、いや、たまには早く来て朝練するのも良いかな~なんて。はは」
「ふーん?」
「おい大地~、あんましいじめんなって(笑)」
「まあ、そういうことにしておくか」
澤村さんの言葉に田中さんはふう、と一息ついた
少しするとちらほらと部員が集まってきた
「妃さん、おはよう」
肩にポンっと手を置かれて、振り返ると
そこには笑顔の清水さん
『おはようございます!』
「早速なんだけど、みんなのドリンクお願いしても良いかな?」
『分かりました!』
ありがとうと言うと清水さんは洗濯機のある方へと行ってしまう
ドリンクの粉とスクイズを持って外にある
水道へと向かった
その途中で窓にベッタリの日向くんと影山くんの姿が目に入った
「良いな~、俺も早く体育館で練習してーなー」
「そう思うんならあのヘタクソなレシーブ何とかしろよ」
「うぐっ、近々お前よりすげーレシーブするから指くわえて待ってろよ!」
「それを言うなら“首を洗って”だろ。ボケ」
2人とも体育館の中に気を取られていて私がいることに全く気づいていない
ならばと忍び足で2人の後ろに回り込んで教頭先生の声色を真似する
『日向くん、影山くん。こんな所で一体何をしているのかね?』
「「うわぁぁぁああああぁぁ!!」」
2人とも間抜けな声を上げてひっくり返る
その姿があまりにも面白くてつい笑ってしまう
『ぷっ、あははは!大成功~♪』
お腹を抱えて笑う私の前で2人は顔を真っ赤にしてわなわなとしている
すると体育館の扉が勢いよく開いて
中から澤村さんが出てきた
「日向影山うるさい!!!」
大声でそれだけ言うと扉はピシャリと閉められた
「おい!俺らだけ怒られてせりあが怒られないのズルい!」
「おう。不公平だ!」
『クレームなら澤村さんにお願いしまーす♪』
「ぐぅっ」
悔しそうな顔をしている2人に手を振って水道に向かった