第4章 3対3
「それで、どうして君は及川さん達のこと知ってるの?」
思い出したかのように及川さんがこちらを見る
『えっと、及川さんがベストセッター賞を取ったときの大会、観客席で拝見していました…』
「ああ、及川が珍しく裏表のない笑顔してやがったあの賞か」
「ちょっ、岩ちゃんヒドくない?!」
『あのときの試合を見て及川さんはスパイカーの実力を100%出せるセッターだな、と思いました』
「やっぱり?俺も自分でそう思ったよ!」
「お前そんなこと分かるのかよ。」
『なんとなく···ですけど』
「君凄いね!あ、そういえば名前は?」
『妃 さりあと申します』
「さりあちゃんね!よし、覚えた☆ていうか君もバレーやってるの?」
『えっと、今はマネージャーとしてです』
「フーン。学校どこ?」
『烏野高校です』
「!」
高校の名前を口にした瞬間に及川さんの表情が変わった