第1章 電車にて【レオ&アラン×プリンセス】
(えっ?)
そう思ったのも束の間。
触れていたものが、レナのお尻を這うように撫で始めた。
(うそ、まさか、痴漢?)
確認しようにも、身動きひとつ取れない。
どうしようもなくて、じっとしていると、触れていたものが、レナのお尻を、ふわっ、と鷲掴んだ。
スカートの上からだけど、はっきりと分かる。
これは、誰かの手。
(痴漢だ……っ
いったい誰?)
視線だけで周りを見回すが、みんな無表情で、全然分からない。
どうしよう、二人に言って助けてもらおうか、
でも、恥ずかしい。
痴漢されてるなんて、アランにも、レオにも、知られたくない。
(どうしよう…
どうしよう…)
考えている間にも、その手はお尻を、ふわふわ揉んでいて。
そして、
するり…
スカートの中に入ってきた。
(うそ!)
ゆっくりと、お尻を撫でる指先。
ストッキングとパンツの上からだが、さっきよりも、感触が…
すると、後ろから声が降ってきた。
「どうしたのレナちゃん。耳、真っ赤だけど」
(レオ…!
どうしよう、助けてって言うなら今だ)
だが、恥じらいがレナを阻む。
「……そ、そうかな?言われてみると、ちょっと暑いかも」
「そう?体調が悪いわけじゃないなら良いんだけど」
「うん、ありがとうレオ。」
やっぱり言えない。
恥ずかしいし、二人に心配をかけたくない。
そう思って、うつむいた途端。
お尻を弄っていた手が、もう一本増えた。