【文スト】トリップしたら心中申し込まれたんだけど?
第17章 変えてくれたもの、変わったもの
『それでも無理でした。
本当の自分を出そうとしたら息が苦しくなって、ダメだったんです。
大好きな人の前でも、本当の自分が出せないなんて・・・。』
そこまで言い終わると、太宰さんは私を抱きしめてくれた。
すごく強く抱きしめてくれた。
苦しかったけど、凄く嬉しくて私は泣いてしまった。
太宰
「ありがとう、話してくれて。ありがとう」
『太宰さん・・・』
太宰
「(名前)ちゃん。甘えたかったって、我儘を言ってみたかったって言っていたよね?私なんかで代わりになるんだったら、私に甘えてくれないかい?」
『え・・・?で、でもそれは迷惑なんじゃ・・・』
太宰
「迷惑なんかじゃ無いよ。
私は君に甘えて来て欲しいんだ。
駄目・・・かな?」
そんな事を言われたら・・・。
そんな言葉をかけられたら断れないじゃないか。
『じゃあ、我儘いって良いですか?』
太宰
「うん、何でもいって?」
『えっと、その・・・頭を、撫でてもらえますか?』
恥ずかしいけど、1度でいいからやって欲しかった。
そう言うと太宰さんは少し驚いた顔をしたけど、優しく撫でてくれた。
太宰
「やっぱり君は可愛いね。」
『そ、そんなことないです!』
太宰さんは笑顔で頭を撫でてくる。
太宰
「ねえ、美采ちゃん。私の話を聞いてくれるかい?」