第7章 story【巴形薙刀】
巴形は莉央が掃除を手伝った後、茶碗の破片を持って莉央に教えられたごみ捨て場に向かった。
自分が捨ててくると言い出したものの、まだ本丸の地図が頭に入っていない。
少しばかりの困惑を覚えた巴形は、ちょうどすれ違った脇差に声をかけた。
「あぁ、それなら……」
彼の名前は堀川国広と言ったか。
巴形は彼に案内されながら本丸を進んだ。
「それにしても、そのお茶碗壊れちゃったんですね」
堀川は巴形の持つお茶碗を見下ろした。
「それ、確か主さんのお兄様から貰ったものって言ってました」
「……そうか」
巴形は堀川の言葉を聞きながら、自分の手元を見下ろした。